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通常、がん組織の血管は正常組織の血管と比べ構造が未熟で、透過性の高い「静的な穴(static pore)」がたくさんあることに着目し、生きたマウスに腫瘍を生着させ、薬がどのようにがん細胞に到達するのかを詳細に観察しました。その結果、がん血管のところどころでstatic poreより大きい「動的な隙間(dynamic vent)」が短時間開き、そこから薬が血管の外へ勢い良く「噴出(eruption)」するという新たな現象を世界で初めて発見しました。今後の研究によって、特に難治がんの治療効率を高める新しい薬剤送達法の開発に繋がるものと期待されます。
本研究成果は、英国科学誌「Nature Nanotechnology」に2月15日(火)(英国時間)に掲載されました。
なお、本研究は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」および戦略的創造研究推進事業(CREST)、ならびに、内閣府/日本学術振興会・最先端研究開発支援(FIRST)プログラム、日本学術振興会・科学研究費補助金などの支援によって行われました。
【2月15日に行われた記者会見の様子】