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2016年度のニュース

がん幹細胞を狙い撃ちするナノテク抗がん剤の開発に成功
~アスベスト被爆が原因となる難治がん(悪性中皮腫)に対する奏功を確認~

アスベストに曝露されることによって引き起こされる悪性胸膜中皮腫は有効な標準治療法が確立しておらず、新しいがん治療薬の開発が待ち望まれています。
今回、悪性胸膜中皮腫組織に選択的に集積し、がん細胞内で薬剤を放出して治療することが可能なナノ治療薬を開発し、悪性中皮腫に罹ったマウスに経静脈投与したところ、分化したがん細胞のみならず未分化で悪性度の高いがん幹細胞をも消滅させ、マウスを治癒することに成功しました。
今回開発した新規ナノ治療薬は、がん幹細胞に効果の高い薬であるスタウロスポリンをpH応答性のエピルビシンミセルに封入することによって、スタウロスポリンのもつ副作用と生体内での不活性化を回避し、さらにがん集積性を高めることにより、がん幹細胞を効果的に殺傷することができました。

本研究成果は、米国化学会発行のナノテクノロジー専門誌 「ACS Nano」に4月19日(火)に掲載されました。
なお、本研究は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の支援によって行われました。
リリース文書はこちら

【4月18日に行われた記者会見の様子】

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