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COINSプロジェクト統括
公益財団法人川崎市産業振興財団 理事
東京大学未来ビジョン研究センター 特任教授
木村 廣道
第8回COINSシンポジウムを2022年1月21日(金)にオンライン開催させていただくことになりました。川崎市のナノ医療イノベーションセンター (iCONM) を中核拠点として始まったCOINSの研究開発プロジェクトはいよいよ最終年度を迎え、皆様のご支援のお陰で数多くの成果を生み出すことができました。COINSが掲げる「体内病院」構想による「いつでも、どこでも、誰もが無意識のうちに健康になれる社会」は決して夢物語ではなく、手の届くところに近付いていると感じます。本プロジェクトにより、産学官の様々なプレーヤーが相互に関与し、絶え間なくイノベーションが創出される「イノベーションエコシステム」の原型を作ることができました。また、シンポジウムなどの機会を通じて市民の皆様との交流を進められたことも私たちの誇りとなっています。
今回のシンポジウムのテーマは「体内病院が創る未来の社会」です。プログラムでは、研究開発とイノベーションプラットフォーム構築の両面からCOINSの9年間を総括した成果報告を行わせていただくとともに、高校生との対話を通して、超高齢社会におけるヘルスケアを語る座談会を行い、COINSの成果が未来の健康社会へと繋がっていくことを多くの皆様に感じ取っていただく機会にしたいと思っています。
皆様のシンポジウムのご参加を心よりお待ち申し上げます。
COINS研究統括
公益財団法人川崎市産業振興財団 副理事長
ナノ医療イノベーションセンター センター長
東京大学名誉教授
片岡 一則
COINSは、スマートライフケア社会を実現するために「体内病院」というコンセプトを掲げ、「スマートナノマシン」の研究開発を進めてきました。2045年に目指すゴールは、ウイルスサイズのスマートナノマシンが体内の微小環境を自律巡回し、病気の予兆を見つけて診断・治療を行う未来の医療です。プロジェクト開始当初から社会的・経済的に大きな問題となっている疾患をターゲットとした5つの課題に、成果を社会に届けるための社会システム構築を加えた6つの課題を設定し、産学官のオープンイノベーション体制で研究開発に取り組んだ結果、プロジェクト終了までの目標であった体内病院を構成する要素技術を確立することができました。
本シンポジウムでは、9年間のプロジェクトの総括として、COINSの研究者たちが「がん」、「脳疾患」、「mRNA」、「診断デバイス」、「ナノマシンと医療機器」、「イノベーションエコシステム」をキーワードに、最先端のナノバイオ技術を駆使した未来の予防・治療法へと繋がる研究開発成果と、それらを社会実装するための仕掛けについて発表します。
ご参会いただいた方々が、本シンポジウムを通じて川崎で繰り広げられる未来医療に挑戦する姿を楽しんでいただければ幸いです。
司会:持田 祐希
(ナノ医療イノベーションセンター 主任研究員)
司会:佐竹 麻美
(ナノ医療イノベーションセンター)
COINSでは、主にがんや認知症のような難治性疾患をターゲットに、ナノバイオテクノロジーを用いたDDS(薬物送達システム)や診断デバイスの開発、mRNA創薬といった6つのテーマを設定して、「体内病院」の実現を目指しています。各テーマは次のとおりです。
テーマ1: 難治がんを標的化し、駆逐できるナノマシンの開発
テーマ2: 脳神経系疾患の革新的治療技術の開発
テーマ3: ナノ組織再建・ナノワクチンを指向したメッセンジャーRNA(mRNA)搭載ナノマシンの開発
テーマ4: 採血不要の在宅がん診断システムの開発
テーマ5: 超低侵襲治療を実現する医療・機器融合デバイスの開発
テーマ6: 社会実装に向けた社会システムを構築
*各テーマの詳細はこちら
また、体内病院の実現に向けた活動を通じて、イノベーションを生み出す仕組み(イノベーションプラットフォーム)作りにも取り組んでいます。
本セッションでは、COINSの成果概要を説明した後、COINSの研究者より各テーマの成果を報告し、最後に、研究統括より新たなステージを迎えるCOINSの研究について、ご報告いたします。
-COINSの成果報告
1.COINSプラットフォームの構築とインキュベーション事業への展開
木村 廣道
COINSプロジェクト統括
東京大学 特任教授
厚見 宙志
ナノ医療イノベーションセンター ポストCOI準備室 事業戦略マネージャー
2.社会実装を加速するイノベーションエコシステムの構築
安西 智宏
COINSサブテーマ6リーダー
ナノ医療イノベーションセンター 主幹研究員
仙石 慎太郎
東京工業大学 環境・社会理工学院 教授
3.在宅診断・ケア時代を支える小型化医療デバイスの開発
一木 隆範
COINSサブテーマ4リーダー
東京大学大学院 工学系研究科 教授
竹原 宏明
東京大学大学院 工学系研究科 講師
松元 亮
東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 准教授
神奈川県立産業技術総合研究所 プロジェクトリーダー
4.がんを狙い撃つナノマシンの開発
宮田 完二郎
COINSサブテーマ1リーダー
東京大学大学院 工学系研究科 准教授
正井 三貴
ナノキャリア株式会社 研究部 副主任研究員
持田 祐希
ナノ医療イノベーションセンター 主任研究員
5.脳神経系疾患の革新的治療技術の開発
安楽 泰孝
COINSサブテーマ2リーダー
東京大学大学院 工学系研究科 特任准教授
大津 昌弘
株式会社ブレイゾン・セラピューティクス 研究開発部 次長
6.mRNA創薬
位髙 啓史
COINSサブテーマ3リーダー
東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 教授
Theofilus A. Tockary
ナノ医療イノベーションセンター 研究員
7.ナノマシンと医療機器の融合
西山 伸宏
COINSサブテーマ5リーダー
東京工業大学 科学技術創成研究院 教授
長田 健介
量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門量子医科学研究所 主任研究員
野本 貴大
東京工業大学 科学技術創成研究院 助教
8.新たなステージを迎えるCOINSの研究
片岡 一則
COINS研究統括
ナノ医療イノベーションセンター センター長
東京大学 名誉教授
座長:安西 智宏
(COINSサブテーマ6リーダー / ナノ医療イノベーションセンター主幹研究員)
既に3割近くを65歳以上で占める日本の人口分布。今後、更に少子高齢化が進 み、2050年には36%が65歳以上になると推定されています。その結果、医療費の 増大や看護・介護の負荷が、人々の暮らしに大きな影響を及ぼします。
COINSでは、そのような超高齢社会を見越して、人々の健康寿命を延伸させるための研究 を行ってきました。体内病院は、その中でも大きな柱となり、早期発見、早期診 断、早期治療により病の重症化を未然に防ぎ、寝たきりにならず、心身ともに健康で自律的な生活を過ごした上で人生を全うできる社会、即ち、スマートライフ ケア社会の実現を今後も目指し続けます。
第二部では、体内病院の実現を目指す2045 年にはケアする側の中核として社会 を背負うことになる現代の高校生とCOINS研究者が超高齢社会の課題とその科学 的解決策について事前にディスカッションした内容にフォーカスし、企業、大 学、教育、看護、科学リテラシーの領域からお招きした方々からコメントを頂き ます。視聴者参加型企画もご用意しており、オンライン投票機能を用いた視聴者 の皆さまからのご意向を、今後の研究に活かしていきたいと思います。
浅野 敏雄
がん研究会 理事長
安斎 陽子
川崎市教育委員会教育政策室 担当課長
伊達 雄亮
日本科学未来館 科学コミュニケーター
田畑 美幸
東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 助教
堀田 彰恵
川崎市看護協会 会長
モデレーター:島﨑 眞
(ナノ医療イノベーションセンター / COINS研究推進コミュニケーションオフィサー)
主 催: | 公益財団法人川崎市産業振興財団 ナノ医療イノベーションセンター(iCONM) |
後 援: | 川崎市 |
協 力: | 川崎市立川崎総合科学高等学校 |
問合先: | 公益財団法人川崎市産業振興財団 ナノ医療イノベーションセンター(iCONM) COINS研究推進機構支援事務局 coinssympo2021 "at" kawasaki-net.ne.jp("at"を@に変えてください) |
※「スマートナノマシン」「体内病院」および「in-body hospitals」は川崎市産業振興財団の登録商標です。本文中では「®」は明記しておりません。